足掛け三か月に及んだ夏の巨大ツアーが終了。福岡、仙台、名古屋と、2週間おきのスパンで回り、最終神戸2連戦。今年は本当に学びの多い年だった。様々な失敗もし色々考えながら、悩みながらの最終公演。結果、これまでの7年間で最高のショウになった。自分自身と仲間達を心から誇らしく思う。
今年は個人的なテーマとして、これまで何年も名前も知らないままずっとお世話になり続けていた、僕らの専属クルー以外の主催側のスタッフさんたちと積極的にコミュニケーションを取る、という事を大事にやってきた。そしてその結果は見事に、楽日のステージに反映されていたと思う。スタッフさんの熱意がその仕事ぶりから伝わり、本当に嬉しさで震えた。
誰かのサポートではなく。誰かのバックアップでもなく。こんな大きなステージの最前列のその真ん中に居場所をいただいて、大トリを任されて日本各地を回らせて貰って。僕はなんて幸せな人間なんだろう。何度も噛みしめている。
僕が自分にとって当たり前のことを当たり前にやっていると、メンバーやスタッフ陣から「フビトさんはいつでも安定していますね」「フビトさん、この環境でよくそのクオリティで歌えますね」と言われる。僕自身は、特別な事をしている感覚はない。本当に何の不満もない。当たり前の事をしているだけだ。でも皆にそう言われる理由は、判る。
僕は下積みが長かった。若い頃から陽の当たる路を歩いてきた他のメンバーとは辿ってきたルートが全然違う。30代の終わりまで、小規模でそして必ずしもプロフェッショナルとは言えないタフな環境で長くやってきた。自分や当時の仲間達のパフォーマンスのレベルは別として、(音響的に)グチャグチャなステージで演奏を強いられる事態を無数に経験してきた。その頃の事を思えば、今いる場所は天国だ。大きな舞台、一級の機材、一流のスタッフ。集客を心配する必要もなく、自分の事だけを考えていればいい状況。天国だ。最高の歌が歌えて当たり前だ。
振り返って今思う。ガラガラの会場で、あらゆる事を自分でやらざるを得なくて、いつか必ずと誰にも知れずもがいていた時代の全ての経験が、遠藤フビトを強くしてくれた。そしてその果てしない時間の中で鍛えられたからこそ、今、想像もしていなかった大きな舞台で、超一流のチームの力になれている。長い間売れず、辛い事ばかりの音楽人生だった。しかしその間もずっと音楽を投げ出さなかったし、決して手を抜かず、自分を信じていた。この生き方をしてきてよかった。苦労してきてよかった。そのおかげで今、人の役に立てている。心の底から思う。人生で自分が踏みしめてきた足跡に、何一つ無駄な事などない。
最近訊かれた。「フビトさんの夢は何ですか?」。僕はまさに今、夢の中にいる。この夢から覚めたくない。一日でも長くこの夢を見ていたい。その為に僕の持てる全てを捧げたい。このバンドが終わる日までに命をすべて燃やし尽くしても惜しくない。
終演後、メンバーと専属クルーの大半が参加して賑やかな打ち上げ。この美味い酒を何度でも飲みたい。まだ発表できない事もいろいろ決まっている。お楽しみに。
グラブルEXTRAフェス 2024
6月15日(土)福岡・マリンメッセ福岡
6月16日(日)福岡・マリンメッセ福岡
7月6日(土)宮城・夢メッセみやぎ
7月7日(日)宮城・夢メッセみやぎ
7月27日(土)愛知・ポートメッセなごや
7月28日(日)愛知・ポートメッセなごや
8月17日(土)兵庫・ワールド記念ホール
8月18日(日)兵庫・ワールド記念ホール
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